#2 「自己顕示欲と過去話と俺」
自己顕示欲がヤバい。
俺は、自己顕示欲がヤバいのだ。
世界に俺を発信したい。
こんな素晴らしい人間が居るんだぞと声高らからに叫びたい。
喉を枯らして。
喉を枯らして叫びたい。
こんな素晴らしい人間が居るんだぞ、と。
そんな変な思いを生まれてからずっと抱えている。
もう一度言おう。俺は自己顕示欲がヤバいのだ。
しかし、現実では強い自己顕示欲に比例する様に人気者とは逆の道に進み始めていた。
中学時代から180cm90kg有ったのだ。
渾名はジャイアン。
人気者になれるわけがない。
優しいジャイアンだってどうせ人気者になれる訳ないのだ。
…その上ルックスもジャイアン並みとあっては、性格も荒れるものだ。
正直に言うと中学時代には良い思い出は無かった。
(ついでに言うなら高校時代も無い)
そして、遂に高校2年の時にネット世界で生きようと決めた。
初めに手を出したのはnanaというアプリだった。
『nana』は音声投稿SNS?で、90秒の音源を投稿して遊ぶことができた。
ニコニコ動画で義務教育を終えた俺にとって、手始めに丁度いい、まさに足掛かり的なアプリだった。
(いつかは歌い手やゲーム実況者になりたいと密かに思っていたからだ)
コイツで俺の自己顕示人生が始まるんだ。
幼い胸が踊り、鼓動が早くなったのを覚えている。
二段ベッドの上、布団にくるまりながらボーカロイド楽曲を歌い、世界に自分の声を響かせる。
そんなことを恥ずかしくもなく妄想したものだ。
結果としては、再生3回のいいね0、そんなもんだった。
でもそこが俺の原点で、疲れた時にその投稿を聞いてなんとも言えない気持ちになるのが楽しいのだ。
nanaにハマってからは早かった。
nanaの友達(次回からnana友)に勧められてTwitter、Skypeを導入。
その勢いのままツイキャスにまで手を出した。
『ツイキャス』はTwitCastingの略で、自宅から世界に放送できるようになるアプリだ。
同時に10000件以上のライブが行われていたりするツイキャスは、幼い自分には一気に世界が広がったように錯覚する程だった。
(今思うとツイキャスは少し早かった気がするが…)
nana友は年上が多く、ネットで自分の世界が広がっていくのがとんでもなく楽しかった。
自分の投稿がネットで認められて友達が増えていくことで、現実の自分が救われているような気持ちになった。
現実での冴えない自分と比例する様に、ネットの俺は少しづつ人気者になって行った。
(と言っても井の中の蛙状態だったけど…)
nanaで歌や演技を投稿して、ツイキャスでラジオ配信をする、これが高校時代の密かな楽しみだった。
しかし、こんな小さな幸せを集める生活が、あんな形で終わるとは、正しく誰も予想しえない事なのであろう。
(いい感じで落ちて良かった)
さて、今日の自分語りはここまでにしよう。
これからもこんな投稿ばっかりする予定ですわ。
優しく見守ってくれさい。
(くれ+くださいという意味。誤字ではない)